ピルビン酸キナーゼ欠損
対象
遺伝形式
劣性遺伝(潜性遺伝)
概要
罹患犬はピルビン酸キナーゼと呼ばれる、赤血球のエネルチー代謝に重要な酵素が欠損しています。通常の犬に比べて血液中の赤血球の寿命が極端に短いため、持続的な貧血を呈します。1歳になる前から運動への不耐性を示し、口の粘膜が蒼白になるなど、貧血の症状を示します。持続的に赤血球が破壊されるため、次第に肝臓に鉄分が沈着し、肝硬変がおこる場合があります。また、造血臓器である骨髄の細胞が減少し、骨髄線維化による造血障害が続発します。
予防と対策
本疾患に対する有効な治療法はありません。輸血や酸素化などによって貧血や呼吸状態を緩和することができますが、これらは対症療法であり、完治が期待できる治療法ではありません。
参考文献
Gultekin GI et al.(2012) "Erythrocytic pyruvate kinase mutations causing hemolytic anemia, osteosclerosis, and seconday hemochromatosis in dogs" J Vet Intern Med. 26(4):935-944.