ムコ多糖症
対象
遺伝形式
劣性遺伝(潜性遺伝)
概要
ライソゾーム病の一種で、ムコ多糖を分解する遺伝子に変異があるため、全身臓器(骨、軟骨、角膜、心臓など)にムコ多糖が蓄積します。罹患猫は顔面の骨の形成異常により、ガーゴイリズムと呼ばれる特徴的な顔貌(鼻が低く平坦で耳が小さい)が見られます。関節の運動機能異常のほか、背骨の形態異常により脊髄が圧迫され、後肢麻痺などの神経症状がでることもあります。その他、角膜混濁による視覚障害、心臓弁膜症、肝腫、脾腫といった様々な症状が現れます。
予防と対策
他のライソゾーム病と比べて症状の進行は緩徐ですが、現在のところ、本疾患に対する根治的な治療法はありません。
参考文献
Yogalingam G et al. (1996) "Feline mucopolysaccharidosis type VI. Characterization of recombinant N-acetylgalactosamine 4-sulfatase and identification of a mutation causing the disease" J Biol Chem. 271(44):27259-27265.